長野県飯綱町。長野市中心部まで車で約30分、鉄道で約25分という利便性を持ちながら、北信五岳を望む壮大なパノラマや、日本を代表するりんごの産地としての美しい里山が広がるこの町は、移住先として非常に高いポテンシャルを持っています。
仕事柄多くの移住希望者のために土地を探したり、移住希望者から情報提供があった土地の調査をしたりしている中でさまざまな土地との出会いがあります。
しかし、不動産と建築のプロとして、そして飯綱町に暮らす一住人として、申し上げると「景色が良いから」「価格が安いから」という理由だけで土地を即決するのは、非常にリスクが高いということです。
移住後の暮らしを「負債」にせず、一生の「資産」にするために。私が現地の調査で必ずチェックしている6つの急所を、専門的な視点から深掘りして公開します。

飯綱町の冬の暮らしやすさは、その土地の「地形」と「地勢」で決まると言っても過言ではありません。
地図上では平坦に見えても、冬の卓越風(北西からの強い風)がもたらす影響を読み解かなければなりません。
また、住宅の位置やアプローチ、駐車スペースを効率よく配置できる土地でなければ、除雪の効率が悪化し、冬の生活に大きな負担がのしかかります。
吹き溜まりの科学:風下になる場所に雪が溜まる「吹き溜まり」が発生しやすい土地は、除雪の手間を数倍に増やします。昨日まで何もなかった場所に、一晩で膝丈まで雪が積み上がるのが雪国のリアルです。
除雪車の動線と「雪寄せ場」:道路の幅だけでなく、除雪車が雪を置いていけるだけの「余白(法面や空き地)」が接道にあるかを確認してください。雪を捨てる場所がない土地は、自分で遠くまで雪を運ぶ重労働を強いられます。
また、接面が狭く、奥行きがある土地ではアプローチが長くなる傾向があり、機械での除雪を検討しなければならなく場合があります。
「せっかく移住するなら100坪、200坪の広い土地を」という要望をよく耳にします。しかし、現実的な管理能力を冷静に見極める必要があります。
夏は草刈り、冬は雪かき:飯綱町の美しい景観は、住民のたゆまぬ手入れによって維持されています。広すぎる土地は、5月〜9月はエンドレスな草刈り、12月〜3月は広範囲の除雪を意味します。飯綱町民の中でも広い土地の所有者や草刈り機や除雪機を巧みに操りながら管理をしていますが、そのような機械も当然メンテナンスのコストがかかります。
将来の負担を想像する:今は30代、40代で体力があっても、20年後、30年後も同じ作業ができるでしょうか。管理しきれない土地は、近隣への迷惑や防犯上のリスク、そして将来の売却しにくさという「負債」を生む可能性があります。また、一般的にも広い土地は土地を評価するうえで大きなマイナス要因となります。特に長野市と異なり土地の価格の低い飯綱町にとっては致命的な欠点です。

自然豊かな環境、特にせせらぎが聞こえる川の近くを好む方も多いですが、そこには公的な制限とリスクが潜んでいます。
ハザードマップの精査:浸水想定区域や土砂災害警戒区域の確認は、プロの調査として最優先事項です。近年、気象災害は激甚化しており、過去の経験則が通用しないケースが増えています。土砂災害や浸水想定、急傾斜などさまざまなリスクにそなえるためにも危険なエリアに該当していないかは確認すべきです。
河川法による建築制限:1級河川の近くでは、たとえ自分の土地であっても建物の建築や工作物の設置に許可(河川法第24条、第26条など)が必要な場合があります。家を建てる場所が法的に制限されたり、堤防の維持管理のために制約を受けたりするリスクを、契約前に把握しなければなりません。
飯綱町には古くから人が住み着き、文化を築いてきた豊かな歴史があります。そのため、地中の確認も欠かせません。
周知の埋蔵文化財包蔵地:検討している土地がこのエリアに該当する場合、建築前に教育委員会への届け出が必要です。
北国街道・牟礼宿周辺の注意点:特に、江戸時代に北国街道の宿場町として栄えた「牟礼宿」の周辺は注意が必要です。牟礼宿はかつて加賀藩の参勤交代や善光寺参りの人々で賑わい、多くの人々の営みが積み重なってきた場所です。こうした歴史的な集落の周辺は、地中に当時の生活の跡(遺構)が眠っている可能性が非常に高く、建築前の調査がより重要になります。
発掘調査のリスク:もし試掘の結果、土器や建物の跡が発見されれば、本格的な発掘調査が必要になります。その調査期間中は工事を完全にストップせざるを得ず、工期が数ヶ月から半年以上遅れることも珍しくありません。これはつなぎ融資の利息や仮住まいの家賃など、資金計画を大きく狂わせる要因になります。
歴史ある町に住むということは、先人の営みの跡を継承するということでもあります。検討している土地が埋蔵文化財エリアに該当する場合、その魅力を享受する一方で、建築の実務においてはこうした時間的・金銭的なリスクを事前に織り込んでおくことが欠かせません。
私たちが推奨するような高性能な家において、冬の太陽光は無料かつ最強の暖房機です。
冬の日照シミュレーション:夏の日当たりは良くても、冬の低い太陽光が南側の山や隣家に遮られないか。30年間の光熱費(エネルギーコスト)を抑えられる場所かどうかを、プロの目でシミュレーションします。
パッシブ設計の適地か:冬に日差しが入らない土地で無理に大きな窓を作ると、逆に熱を逃がすだけの家になってしまいます。「その土地に合わせた、最も効率的な家が建てられるか」という視点が必要です。
「どうしてもこの景色を眺めながら暮らしたい」という強いこだわりをお持ちの方にこそ、参照していただきたいのが「飯綱町景観計画」です。
飯綱町では、北信五岳の山並み、広大なりんご畑、そして歴史ある集落など、町が誇る多様な景観を維持・形成するための具体的な指針を策定しています。
景色を「選ぶ」ための基準:自分が住宅にどのような景観(借景)を求めるのか。その景色が将来にわたってどのように守られ、どのようなルール(色や高さの制限など)の下で維持されているのかを確認することは、納得のいく土地選びの重要な指針となります。
資産価値としての景観:町全体で景観を守る仕組みがあることは、あなたの家から見える景色が守られると同時に、あなたの家もまた町の美しい景色の一部として価値を認められることを意味します。自分だけの独占物ではなく、地域で共有する財産としての「景色」を意識することが、真の豊かな暮らしにつながります。
参照:飯綱町景観計画について – 飯綱町公式サイト
飯綱町景観計画については、移住者の住居決定を左右する景色に関係する内容が盛りだくさんなので後日これについてブログを執筆します!
飯綱町は、農業と自然、そして生活の利便性が高次元で調和した、日本でも有数の豊かな町です。しかし、その豊かな環境を「苦労」ではなく「楽しみ」に変えるためには、契約前の徹底したリスク調査と、地域のルールへの深い理解が欠かせません。
私たちツチクラ住建がご紹介している土地は、これらすべての厳しい基準をクリアした、いわば「プロの合格証」が出た場所だけです。
「安いから」「景色がいいから」という理由で選ぶ前に、まずは私たち専門家にご相談ください。飯綱町での暮らしを一生の資産にするための、本当の選び方をお話しします。
今売りに出ている土地に関してはこちらをご覧ください。
また、以前移住に関する情報発信の一環として、社長と対談をした動画を紹介します。
忖度無しで飯綱町に住む人のリアルな情報はこちらでご覧ください。
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