2026.07.02
この記事は2026年9月11日に全面更新しました。公民館報いいづな No.125(令和8年8月31日発行)の特集をもとに、捕獲頭数・目撃件数・猟友会の体制・伐採費用の補助を最新のものに差し替えています。
こんにちは。ツチクラ住建の土倉です。
飯綱町で物件をご案内していると、必ずと言っていいほど聞かれる質問があります。「クマ、出ますか?」
結論から言います。出ます。珍しくありません。そして、それを隠して家を売るつもりはありません。
ただ、この記事で本当にお伝えしたいのは「怖い」という話ではなく、この町にはどんな備えがあって、あなた自身が何をすればいいのかです。今年の数字は正直、例年より重い。だからこそ、事実のまま書きます。
公民館報いいづな No.125の特集「野生動物とともに暮らす地域 だからこそ知っておきたいこと」に、令和8年度(2026年度)7月末時点の数字が載っています。
| 項目 | 2026年度(7月末時点) |
|---|---|
| 捕獲頭数 | 6頭 |
| 目撃情報 | 19件 |
| 人身被害 | 今のところ なし |
| 例年の年間捕獲頭数 | 平均6頭程度 |
ここを読み違えないでください。例年なら1年かけて6頭のところを、今年は7月末の時点で6頭に達しています。これほど早い時期の捕獲は異例だ、と町も書いています。
一方で、人身被害は今のところ出ていません。数字が増えていることと、人が襲われることは、まだイコールになっていない。これも事実として並べておきます。
公民館報には、目撃・捕獲の場所を落とした町内マップが載っています。移住検討者の方に見てほしいのは、点が打たれている場所です。
学校の近くにも、観光施設の近くにも点があります。「山に入らなければ大丈夫」ではありません。飯綱町は町全体が山と畑と集落の境目のような地形なので、集落のすぐ裏が、クマにとっての通り道になっていると考えたほうが実態に近いです。
時期は春と秋が活発です。特に秋は、冬眠前に食べ物を探して人里に下りてきます。この記事を読んでいる今が、まさにその季節です。
不安な数字ばかり書いたので、備えの話をします。
飯綱町の猟友会は、合併当時の12名から、現在は34名まで増えています。有害鳥獣の捕獲にも協力しています。人口が減り続けている町で、この分野の担い手だけは増えている。これは移住検討者に伝えるべき事実だと思います。
地域おこし協力隊の高橋晴江さんは、町内で唯一の女性猟友会員です。今年2月にわな猟免許を取得し、今年度からは有害鳥獣対策が主な活動になりました。朝のわな見回り、捕獲現地の確認、記録作業を担当されています。今後は「鳥獣管理士」(県内の有資格者は20人ほど)の取得を目標にしているそうです。
ふるさと納税やInstagramの発信をしていた方が、「伝える活動から、守る活動へ」と書かれていました。町の対策が、人の顔が見える規模で動いているということでもあります。
お子さんのいるご家庭がいちばん気にされるところなので、学校の対策も書いておきます。
「クマが出る地域で子育てをする」と聞くと身構えると思いますが、出る前提で、学校がすでに動いているという言い方のほうが実態に合っています。
町の広報が挙げている対策は、次の4つです。どれも家に住む人ができることです。
いちばん実務的で、いちばん効くのがこれです。飯綱町は、クマを誘引する樹木の伐採費用を半額補助しています(上限5万円)。
田舎の家には、たいてい柿の木があります。前の住人が植えたもので、実は誰も食べていない。それがクマにとっては秋のごちそうになります。移住してすぐ、まず切る。補助が使えます。
りんごの町なので、規格外や落果が出ます。トウモロコシも同じです。畑の隅に積んでおくのは、餌場を作っているのと変わりません。
草刈りは景観の話ではなく、安全の話です。敷地に接したヤブは、クマにとって人目につかずに近づける通路になります。
2人以上で動く。音を出す。基本ですが、住み慣れると気が緩みます。私も含めてです。
ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。
内覧のとき、家の裏を見てください。
見るのは3つです。柿や栗の木があるか。ヤブが敷地に接しているか。畑や果樹園との境目がどうなっているか。この3つで、その家の「クマとの距離」はだいたい分かります。
そして大事なのは、これらは買ってから直せるということです。柿の木は補助金を使って切れます。ヤブは刈れます。日当たりや道路付けや構造と違って、あとから手を入れられる要素です。
逆に言うと、内覧のときに誰も裏を見なければ、そのまま住み始めてしまう。仲介する側として、ここは必ずお伝えするようにしています。秋の内覧をおすすめしているのも、草が落ち着いて敷地の輪郭が見える時期だからです。
ついでに書いておくと、イノシシとシカは20年前の飯綱町にはほとんどいませんでした。それが近年、急激に増えています。
家庭菜園をやるつもりで移住される方は多いのですが、柵なしで畑をやると、クマより先にイノシシとシカに食べられます。これは怖い話ではなく、単なる段取りの話です。
クマが出る町です。それを承知で、私はここで暮らしていますし、家族もここで育てています。備えがある町だ、というのが正直な実感です。
不安なままにせず、知ったうえで来てください。そのほうが、たぶん長く住めます。
※数字は公民館報いいづな No.125(令和8年8月31日発行)による、令和8年度7月末時点のものです。最新の出没情報・補助制度の要件は、飯綱町役場(026-253-2511)にご確認ください。
物件の「裏側」まで、一緒に見ます
クマや獣害を理由に候補を外す前に、一度ご相談ください。切れる木なのか、直せるヤブなのか、その場で判断してお伝えします。査定・ご相談は無料です。土倉進太郎がまずはお話を伺います。
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毎週木曜更新です。次回もお付き合いください。