飯綱町移住のあれこれ

飯綱町消滅?今飯綱町で起きている人口の問題について正直に語ります。後編

2026.07.16

こんばんは。土倉進太郎です。

先日、子供が「ベランダに鳥の羽がいっぱい落ちている!」

と朝から騒いでおり、まさかと思って外に出てみると1羽の鳥が・・・

残念ながら鳥はすでに息たえていましたが、なぜこうなったのか謎は深まるばかりです。

そうかと思えば、祖母にもらったアゲハ蝶が蛹から孵ったりと、飯綱町は生き物でいっぱいだなと毎日感じています。

 

さて、前編では、飯綱町の人口が25年で3,394人減り、ついに1万人を割ったことを書きました。「消滅の可能性がある」と名指しもされました。

数字は正直です。それは変わりません。

けれど、同じ広報誌をめくっていくと、人口減に危機を感じ、さまざまなアイデアを形にしながら飯綱町を盛り上げようとする動きが感じられました。後編では、そちらの話をします。

◀ 前編を読む


2年連続で「社会増」になった

社会増とは、転入者が転出者を上回ることです。

人口全体は減っています。それでも、外から入ってくる人の数が、出ていく人の数を上回った。それが2年続いています。

合併から20年、町は移住定住施策を地道に続けてきました。りんご学校、いいづなコネクト、ふるさと納税の推進。ひとつひとつは派手ではありません。けれど20年かけて、線の角度をわずかに変えるところまで来た。

飯綱町の風土は、町外からも高く評価され、2年連続社会増という形でも現れた。

ツチクラ住建も微力ながらこの社会増に貢献しています。

正確な数は分かりませんが、ツチクラ住建関連で移住してくる人の数は最低でも年間3組以上おり、毎年10人以上がツチクラ住建と関わって移住をしてきます。


「ふるさと住民登録制度」のトップランナーに

2027年度(令和9年度)から、全国で新しい制度が本格的に始まります。「ふるさと住民登録制度」です。

スマートフォンのアプリで、実際には住んでいない自治体でも「ふるさと住民」として登録できる。応援したい町とつながり、観光やふるさと納税の情報を受け取れる。登録には、まず登録する「ベーシック登録」と、担い手活動などにより深く関わる「プレミアム登録」の区分が設けられる予定です。

飯綱町は、この制度の先行自治体(モデル事業)に選ばれました。

今年4月には東京でキックオフイベントが開かれ、北海道上川町、山梨県甲州市とともに、3自治体が壇上に並んでいます。人口1万人を切った町が、全国のモデルとして手を挙げている。私はこれを、なかなかのことだと思っています。

背景には、りんごの担い手不足があります。町内の多くの農家が、繁忙期の人手に苦しんでいます。一方で、都市部には「農作業をやってみたい」という人がいる。この二つをつなぐ舞台として、ふるさと住民登録制度に町は期待しているようです。


役場が組織を作り替えた

町は今年度、移住促進とふるさと納税の業務を統合し、新しく「地域活性化推進室」を設置しました。

さらに、楽天グループと一般社団法人ユースキャリア教育機構から、2名の「地域活性化起業人」を迎えています。都市部の企業から社員を派遣してもらい、専門的なノウハウを町の仕事に活かす制度です。

役場が組織図を書き換えるというのは、外から見る以上に大きな決断です。危機感が、機構改革という形になった。そう受け取っています。


20代が、自分たちで動いている

一般社団法人「わけしょ」。北信の方言で「若者」を意味します。2024年2月に設立された、20代中心のまちづくり団体です。

【写真②】若者・町の賑わいが伝わる場面/イベント、集まり、りんご畑での作業など ※人物は許可を得たものだけ(※画像を入れたらこの行を削除)

ポッドキャスト「山ん中ラジオ」。地域通貨「いいづなpay(なっぺ)」。生きづらさをテーマにした20代限定の対話会「問い会」。集落の農地を守る「草刈り部隊」。

そして、「30歳になったら引退する」というルールを、自分たちで決めています。若者が主体であり続けるための仕組みだそうです。

彼らは「多くの友人が町を出て行ってしまう。残った若者はどんな苦悩を抱えているのか」という問いから始まったと語っています。行政に言われて動いているわけではない。自分たちの問題として動いている。

これは、統計には出てこない種類の数字です。


数字の外にあるもの

人口は、町の体温計のようなものです。大事な指標ではあるけれど、それだけで町の健康状態のすべてがわかるわけではありません。

9,668人という数字は、もう動かせません。当面、この線が上を向くこともないでしょう。

でも、その9,668人が何をしているか。町の外に、どれだけの応援団を作れるか。空いた家に、次の誰かが住めるようにできるか。

数字の外側にあるこの部分は、まだ決まっていません。むしろ、これから決まります。


ツチクラ住建として、ここに関われること

私たちの仕事は、家と土地を空かすことなく次の所有者に繋げることです。

人口が減る町では、家が余ります。余った家をただ余らせておけば、それは町の重荷になります。けれど、その家に次の住み手が見つかれば、同じ家が町の資産に変わる。空き家と移住のあいだをつなぐのは、まさに私たちの役割だと思っています。

会社としても今後は移住者が移住しやすい街を実現すべく、賃貸物件の増加と住んでからのサポートを強化していきます。


移住を考えている方へ。

飯綱町は、決して安泰な町ではありません。前編で書いたとおり、数字は正直です。

けれど、危機感を持った町が、本気で動き始めた町でもあります。役場も、若者も、企業も。そういう時期に飛び込むのは、なかなか面白いことだと私は思っています。

33年住み続けた地元も少しずつ変わっていきます。

皆さんも一緒にこの地域の行末を考えてみませんか?


出典

「いいづな通信」2026年7月号 No.248(飯綱町役場)

「公民館報 いいづな」2026年6月30日 No.124(飯綱町公民館)

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