飯綱町移住のあれこれ

【数字で見る飯綱町】令和7年度決算、移住前に町の家計を見てみました

2026.10.30

この記事は2026年10月19日時点の情報です。(出典:広報いいづな通信 2026年10月号 p2〜4「令和7年度 決算状況」)

こんにちは。ツチクラ住建の土倉です。

「数字で見る飯綱町」シリーズ、今回は決算編です。広報10月号に令和7年度(2025年度)の決算が載りました。

町の財布の中身は、暮らしの料金や行政サービスにも関わります。元数学教師らしく、表で整理してみます。

先に結論

  • 一般会計は歳入107億9,084万円、歳出99億6,776万円。どちらも前年度より増えました。
  • ふるさと納税などの寄付金は11億8,456万円で、町税(11億3,274万円)を上回る規模です。
  • 町の借金(町債)は前年度末より1億3,452万円、貯金(基金)は3億5,002万円減りました。
  • 財政の健全さを示す4指標はすべて基準を下回り「健全」。一方で町は今後の厳しさにも触れています。

💰 歳入:町のお金はどこから来るか

一般会計は、福祉・教育・道路など町の基本的なサービスをまかなう会計です。

項目 金額 割合
地方交付税 41億8,013万円 38.7%
寄付金 11億8,456万円 11.0%
町税 11億3,274万円 10.5%
町債(借入金) 7億9,550万円 7.4%
国庫支出金 7億395万円 6.5%
県支出金 4億1,884万円 3.9%
その他 23億7,512万円 18.0%
合計 107億9,084万円 前年度比110.2%

最大の地方交付税(前年度比105.6%)は、自治体間の財源の差をならすために国から配られるお金です。

歳入が増えた主な理由は、地方交付税、国の補助金、ふるさと納税などの増加と広報に書かれています。

ふるさと納税は町税を上回る規模

寄付金は前年度比112.7%でした。

種類 金額 件数
ふるさと納税 11億6,322万円 82,676件
企業版ふるさと納税 2,000万円 2件
一般寄付金 135万円 9件

寄付金のほとんどがふるさと納税で、単純に割ると1件あたり約1万4千円。寄付金は町税より約5,000万円多く、町外からの応援が大きな財源になっています。

飯綱町の畑とりんご畑
飯綱町の畑とりんご畑(2023年10月撮影)

町税の内訳

税目 決算額 前年度比 町税に占める割合(筆者計算)
町民税 5億858万円 111.8% 約44.9%
固定資産税 5億754万円 100.6% 約44.8%
軽自動車税 5,824万円 102.8% 約5.1%
町たばこ税 4,855万円 97.9% 約4.3%
入湯税 981万円 103.1% 約0.9%
合計 11億3,274万円 105.3% ―

町民税と固定資産税がほぼ同額で、2つで町税の9割近くを占めます。

🧾 歳出:何に使われたか

歳出は99億6,776万円(前年度比108.6%)です。

分野 金額 割合
庁舎管理・広報・戸籍・ふるさと納税・地域振興など 26億1,323万円 26.2%
子育て支援・福祉サービスの提供など 18億260万円 18.1%
保健・医療・環境対策など 12億3,472万円 12.4%
教育の充実 10億5,609万円 10.6%
借入金の返済 9億8,095万円 9.8%
道路・河川の整備など 9億7,746万円 9.8%
農業振興・商工業・観光など 7億7,929万円 7.8%
消防・防災対策など 4億2,699万円 4.3%
議会の運営/災害復旧費用 7,345万円/2,298万円 0.7%/0.2%

増えた主な理由は、教育費(町民会館改修など)、総務費(ふるさと納税事業など)、民生費(児童手当など)の増加と広報に書かれています。

主な事業は次の3つです。

  • 飯綱町民会館の改修(教養娯楽室・トイレの改修、図書室の移設など):1億9,443万円
  • 三水B&G海洋センター駐車場へのマンホールトイレ5基の設置(災害への備え):2,313万円
  • 町制施行20周年記念事業(記念式典やイベント):1,963万円

町民1人あたりにすると

令和8年3月末の人口10,095人で割ると、1人あたりの収入は106万8,930円(うち町税112,208円、寄付金117,341円)、支出は98万7,395円と広報に載っています。

🏦 借金(町債)と貯金(基金)

町債残高は1億3,452万円減

会計 令和7年度末 令和6年度末
一般会計 61億8,747万円 63億4,697万円
水道事業 9億8,137万円 8億5,544万円
下水道事業 22億6,303万円 21億8,731万円
病院事業 11億5,226万円 13億2,893万円
合計 105億8,413万円 107億1,865万円

※元金のみ。会計別では、水道・下水道の残高は増えています。

基金残高は3億5,002万円減

基金 令和7年度末 令和6年度末
財政調整基金(年度間の財政調整用) 16億1,668万円 16億1,410万円
減債基金(借入金返済の平準化用) 4億1,988万円 6億2,377万円
その他特定目的基金 13億8,369万円 15億3,240万円
合計 34億2,025万円 37億7,027万円

※一般会計の基金。財政調整基金はほぼ横ばいです。

📊 健全化判断比率4指標

法律にもとづき、すべての自治体は財政の健全さを4つの指標で公表しています。

指標(何を示すか) 令和7年度 早期健全化基準 財政再生基準
実質赤字比率(一般会計等の赤字) -(赤字なし) 14.82% 20.0%
連結実質赤字比率(全会計の赤字) -(赤字なし) 19.82% 30.0%
実質公債費比率(借金返済の負担、3か年平均) 11.8% 25.0% 35.0%
将来負担比率(将来負担すべき負債) -(マイナスのため) 350.0% ―

実質公債費比率の過去10年の推移です。

H28 H29 H30 R元 R2 R3 R4 R5 R6 R7
9.4% 9.6% 9.0% 9.1% 9.4% 10.5% 11.1% 11.3% 11.8% 11.8%

R7は企業会計への繰出金の影響で前年度と同値と広報にあります。赤字の2指標は10年間「-」、将来負担比率もR2(5.3%)・R3(3.6%)以外は「-」です。

町自身の見方(広報より要約)

4指標とも基準を下回り健全な状態。ただし少子高齢化、物価高騰、公共施設の老朽化への対応などで、今後は厳しくなることも予想される、としています。

🚰 暮らしに近い「企業会計」と「特別会計」

水道・下水道・病院は、料金収入を主な財源とする独立採算の「企業会計」です。

会計 区分 歳入 歳出
水道事業 収益的収支 3億8,268万円 2億7,860万円
資本的収支 3億2,408万円 5億3,302万円
下水道事業 収益的収支 6億5,001万円 5億4,639万円
資本的収支 13億5,318万円 14億2,067万円
病院事業 収益的収支 26億2,696万円 23億3,959万円
資本的収支 2億131万円 2億9,235万円

収益的収支は日々の運営、資本的収支は施設整備や借入金返済などです。特別会計では、介護保険事業(歳入13億8,177万円)と国民健康保険事業(同11億2,609万円)が大きな会計です。

🏡 不動産屋として、ひとこと

町の決算を見る意味は、町を判定することより、暮らしの費用がどこと結びついているかを知ることだと考えています。

  • 水道・下水道:料金収入が主な財源で、料金は毎月の固定費です。物件の排水(公共下水か浄化槽か)もあわせて確認を。
  • 病院:飯綱病院も企業会計です。再整備は別記事にまとめています。
  • 公共施設の老朽化:町自身が課題に挙げています。近くの施設の計画は役場の情報で確認を。

正直に言うと、決算だけで住みやすさは決まりません。ただ、一度目を通しておくと、町の話がぐっと理解しやすくなります。

水道や下水の話は、家を買うときの費用にも直結します。当社で扱った土地でも、道路から離れた高い場所に家を建てようとすると、上下水道の引き込みだけで200万円以上かかりそう、という話になったことがあります。

✅ まとめ

・令和7年度の一般会計は歳入107億9,084万円、歳出99億6,776万円。

・歳入の約4割は地方交付税。ふるさと納税を中心とする寄付金は町税を上回りました。

・町債残高は1億3,452万円、基金残高は3億5,002万円、前年度末から減少。

・健全化判断比率は4指標とも基準を下回り「健全」。一方で今後の厳しさにも触れています。

・水道・下水道・病院は企業会計。暮らしの料金やサービスに近い数字です。

町の家計を知っておくと、移住後の暮らしの見通しが少し立てやすくなります。

決算の詳しい内容は役場へ(飯綱町公式サイト)。住まい探しと一緒に考えたい方は、私までどうぞ。

※制度・日程は変わることがあります。必ず役場・各主催者にご確認ください。

このブログは毎週月・火・木・金の朝7時に更新しています。

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