2026.10.30
この記事は2026年10月19日時点の情報です。(出典:広報いいづな通信 2026年10月号 p16「国土(地籍)調査の登記完了について」)
こんにちは。ツチクラ住建の土倉です。
広報いいづな通信10月号の「くらしの情報」に、赤塩地区の一部で国土(地籍)調査の登記が完了したというお知らせが載っていました。小さな記事ですが、土地や空き家を買う方にとっては、実はかなり大事な話です。
今回はこのニュースを入口に、宅建士として土地の境界まわりをまとめて解説します。
先に結論
広報によると、対象は大字赤塩の一部(赤塩10区、字湯川原の一部)です。調査を始めてから各工程を順に進めてきたものの、新型コロナの流行や、能登地震に伴う座標の補正・検証測量の追加などがあり、完了までに長い期間がかかったと書かれています。
登記が完了したことで、次のような変化があると広報に書かれています。

地籍調査は、国土調査法にもとづいて主に市町村が行う調査です。一筆ごとの土地について、所有者・地番・地目を調べ、境界と面積を測量します。いわば「土地の戸籍」を作り直す作業です。
境界は、土地の所有者どうしが現地で立ち会って確認したうえで測量されます。その成果が法務局に送られ、登記簿と地図が書き換えられます。今回の赤塩地区のお知らせは、この最後の段階が終わったという意味です。
正直に言うと、日本では地籍調査がまだ済んでいない地域がかなり残っています。同じ町内でも、地区によって済んでいる・済んでいないが分かれているのが現実です。
法務局には土地の形や位置を示す図面が備えられています。その図面には大きく2種類あります。
| 項目 | 14条地図 | 公図(地図に準ずる図面) |
|---|---|---|
| 根拠 | 不動産登記法14条1項の「地図」 | 同条4項の「地図に準ずる図面」 |
| 主なもと | 地籍調査などの精度の高い測量成果 | 明治時代の地租改正のころに作られた図面など |
| 形・位置 | 測量にもとづき、境界の位置を現地に復元しやすい | 土地の並び方の目安。形や寸法が現地と合わないことがある |
| 面積(地積) | 測量結果が登記に反映されている | 登記の面積と実際の面積が違うことがある |
田舎では、登記の面積より実際の面積が広い「縄伸び」、逆に狭い「縄縮み」という言葉があるくらいです。公図しかない土地では、登記簿の数字をそのまま信じないほうが安全です。
| ポイント | 地籍調査済み | 地籍調査が済んでいない |
|---|---|---|
| 境界 | 所有者の立会い・確認を経た成果があり、座標で位置を復元しやすい | 境界があいまいなことがあり、買う前や売る前に隣地との確認が必要になる場合がある |
| 面積 | 登記の面積と実際の面積の差が小さいと考えられる | 登記の面積と実際がずれていることがある |
| 測量費 | 既存の成果を使えるため、手間や費用が抑えられることがある | 境界確定のための測量が必要になると、費用と期間がかかる |
| 隣地とのトラブル | 起きにくい | 塀・生け垣・木の越境などで話し合いが必要になることがある |
ただ、調査済みなら何も確認しなくてよい、というわけではありません。調査から年月がたって境界標がなくなっていたり、売買の条件として改めて測量を求められたりすることもあります。
境界標は、土地の境目に埋められたコンクリート杭や金属プレート、石などの目印です。広報でも、境界標を壊したり動かしたりすると犯罪になると注意しています。刑法には「境界損壊罪」という罪があります。
外構工事や重機を使った解体、畑の耕うんで、知らないうちに杭を抜いてしまうことがあります。工事の前には、業者さんに杭の位置を伝えておくと安心です。
境界標がわからなくなったときは、土地家屋調査士などに依頼して復元してもらうことになります。そのときに使うのが、役場で見られる「筆界確認図(国土調査成果図)」です。筆界点や基準点の座標が載っているので、位置を現地に復元する手がかりになります。
筆界確認図の閲覧・証明書(広報より)
広報の記事の最後には、登記の義務化についても書かれていました。空き家を買う方にも、売る側の事情として深く関わる話です。
| 項目 | 相続登記の義務化 | 住所・氏名変更登記の義務化 |
|---|---|---|
| 始まった時期 | 令和6年(2024年)4月1日 | 令和8年(2026年)4月1日 |
| 期限 | 相続で取得したことを知った日から3年以内 | 住所・氏名が変わった日から2年以内 |
| 怠った場合 | 正当な理由がなければ10万円以下の過料の対象 | 正当な理由がなければ5万円以下の過料の対象 |
| 以前の分 | 開始前の相続も対象 | 開始前の変更も対象 |
移住の方に関係するのは、たとえば次の場面です。
手続きは、権利者本人が行うか、司法書士に依頼するのが一般的です。細かい要件は法務局や司法書士に確認してください。
土地や空き家を買う前に、私がおすすめしている確認は次の4つです。
移住相談では、物件の悪い点も正直にお伝えするようにしています。境界があいまいな土地なら、そのことも含めて説明し、必要なら測量の段取りも一緒に考えます。
当社の取引でも、国土調査が済んでいる土地なのに、境界杭が一部なくなっていたことがありました。隣の方に集まってもらって境界を確定させる「確定測量」は40万〜60万円ほどかかり、飯綱町や信濃町でそこまでやる取引は多くありません。なくなった境界標を復元するだけなら、1本3万〜4万円ほどです。
雪国ならではの話もあります。道路側の杭は、除雪や解体工事でなくなったり、雪に埋もれて見えなくなったりしやすいので、近くに目印のポールを立てておく方法もあります。
土地を買う前に見ておきたい書類としては、埋蔵文化財の記事も参考になります。あわせてどうぞ。
・赤塩地区の一部で地籍調査の登記が完了し、図面が14条地図に置き換わりました。
・14条地図は精度が高く、公図は形や面積が現地と合わないことがあります。
・調査済みの土地は境界・面積の安心材料になりますが、境界標の確認は欠かせません。
・筆界確認図は役場で閲覧できます(無料、証明書は手数料あり)。
・相続登記(令和6年4月〜)と住所・氏名変更登記(令和8年4月〜)は義務になっています。
境界や面積は、買ってから気づくと直すのが大変です。ただ、買う前に順番に確かめれば、安心して決められる部分でもあります。
土地・空き家のご相談はツチクラ住建へ。ご相談は無料です。
フリーダイヤル 0120-253-243(営業時間8:00〜17:30)
※制度・日程は変わることがあります。必ず役場・各主催者にご確認ください。
境界の状態まで含めて正直にお伝えしている物件は、ツチクラ住建の取扱い物件一覧でご覧いただけます。「この土地の境界はどうなっている?」といったご質問や移住のご相談は、お問い合わせフォームまたはLINE公式アカウント(@tsuchikura)からお気軽にどうぞ。