2026.11.06
信濃町特集の4回目は「住まい」です。不動産の仕事をしている私たちにとって、いちばん詳しくお伝えしたいテーマでもあります。信濃町役場のサイトには住まいに関する制度がいくつもありますが、担当の係がばらばらで、ページもあちこちに分かれています。そこで今回は「借りる」「買う・建てる」「直す」の3つに分けて整理しました。
町営住宅には、町外から来る40歳以下の単身者向けの「若者定住促進住宅」と、所得の基準がある「公営住宅」があります。空きが出たときに町のサイトで募集され、申込みが多いと公開抽選になります。
| 黒姫西口町営住宅(若者定住促進) | 緑ヶ丘町営住宅(公営) | |
|---|---|---|
| 対象 | 町外から転入する40歳以下の単身者(ひとり親世帯も可)、月額所得10万円超 | 月額所得15万8,000円以下、原則は同居親族のある方 |
| 間取り | 1LK・36㎡、車庫1台 | 2LDK・63㎡、物置付き、オール電化 |
| 建物 | 木造2階建て(平成27年築) | 鉄筋コンクリート3階建て(平成19年築) |
| 家賃 | 所得に応じて月2万7,000〜4万1,000円 | 令和8年度の目安 月2万2,100〜3万2,900円 |
| 敷金 | 家賃3か月分 | 家賃3か月分 |
※令和8年の募集ページの内容です。持ち家のある方は対象外。ペット不可などの条件もあります。
空き家バンクに登録されている賃貸住宅を借りる40歳以下の世帯には、家賃のうち3万円を超える部分を町が補助します。上限は単身世帯が月1万円、同居世帯が月1万5,000円で、入居した月から最長5年間です(世帯の総所得610万円以下などの条件があります)。
家賃補助のイメージ(月額・円)
5,000円
10,000円(上限)
10,000円
15,000円(上限)
補助額=家賃-3万円(上限あり)。3か月ごとに請求。出典:信濃町「令和8年度若者定住促進家賃補助制度について」
町は、移住・定住の促進と町内で働く人の住まいの確保のため、賃貸住宅を増やす取り組みも進めています。令和8年度、高性能な賃貸住宅を建てる事業者に、1戸あたり350万円(造成など25万円を別に加算)、1棟で最大3,000万円を補助する事業者をプロポーザルで募りました。また令和8年10月には、空き家を賃貸住宅にする所有者向けの補助(改修費の1/2で100万円まで、家財撤去は30万円まで、合計130万円まで)も始まっています。
町内の金融機関で住宅ローンを借りて、新築または中古の住宅を取得した方には、払った利子の一部を町が補給する制度があります。
町内の金融機関で500万円以上・5年以上のローンを契約(契約時45歳以下)
融資実行からおおむね30日以内に認定申請
毎年1月に前年の利子分を交付申請
前年に払った利子の1/2(年10万円まで)を5年間。合計50万円まで
対象は延べ床面積50〜240㎡の住宅です。中古住宅も対象になるので、空き家を買って住む方にも使える制度です。
住まいを直すときの補助は種類が多いので、表にまとめました。
| 補助 | 対象 | 補助の内容 |
|---|---|---|
| 住宅リフォーム支援 | 町民が町内の業者に頼む10万円以上の工事 | 工事費の20%・上限20万円。下水道につなぐ工事は加算あり(令和8年度分は6月に募集終了) |
| 克雪住宅整備 | 屋根の融雪化・自然落雪化・雪下ろしの安全対策 | 上限8万〜75万円(第2回で紹介) |
| 耐震診断・耐震改修 | 昭和56年5月31日以前に着工した木造住宅 | 診断は無料で診断士を派遣。改修は費用の1/2・上限100万円 |
| 空き家改修等支援 | 空き家バンクの家を買う・借りる人など | 改修費の1/2+家財撤去(上限5万円)、合計25万円まで |
| 空き家賃貸活用促進 | 空き家を賃貸に出す所有者 | 改修費の1/2(100万円まで)+家財撤去(30万円まで)、合計130万円まで |
| 高齢者・障がい者にやさしい住宅改良 | 要介護認定の方などがいる非課税世帯 | 費用の9/10・最大63万円 |
令和8年8月の改定で、空き家バンクに登録できる物件の条件がはっきり書かれるようになりました。
雪の多い信濃町らしい条件です。第2回で「建てられる道と除雪される道は同じではない」と紹介しましたが、空き家バンクでは除雪される道に面していることが登録の条件になりました。また、町は物件の登録や情報公開、連絡調整は行いますが、売買や賃貸の交渉・契約には関与しません。交渉や契約は、所有者と利用希望者、または不動産会社の間で行います。
町は令和7年3月に、空き家の解体や活用を支援する民間2社と連携協定を結んでいます。その発表文には、2040年の目標人口7,500人に向けて「年間43世帯の移住者確保」を目指すと書かれていました。
富濃地区には「信濃町ふるさと移住体験施設」があり、移住を考えている方が実際に町で暮らしてみることができます(第1回で紹介した楽園信州の紹介シートでは「6泊まで無料」とされていました)。冬の暮らしを体験してから決めたい方にもおすすめです。申込みは役場の総務課まちづくり企画係です。
町のいま:このテーマで議論されていること
人口が減る一方で、空き家の増加と「住める家が足りない」ことが同時に課題になっています。
※町の公式資料と新聞報道をもとに事実を整理したものです。特定の考え方を支持・評価するものではありません。
家を買うとき、宅建士として必ず確認するのが排水の方式です。信濃町では、場所によって公共下水道・農業集落排水・合併浄化槽のどれになるかが変わります。
町のページでは、次のような費用の考え方が示されています。
下水道が使えるようになった区域では、供用開始から3年以内に接続することが下水道法で定められています。接続していないと、新築や増改築の建築確認申請ができないとも書かれています。
宅内の工事は自己負担で、町の指定業者に頼む必要があります。指定業者は70社以上あり、見積もりを取って選ぶよう案内されています。工事費はトイレの種類や設置場所、外構によって大きく変わるので、古い家を買うなら購入前に見積もりを取っておくと安心です。
この費用の説明は2016年に掲載されたページのものです。今の金額は、建設水道課 下水道係(026-255-3002)で確かめてください。
下水道・農業集落排水の計画区域の外で、専用住宅に小型合併処理浄化槽を設置する場合は、町の補助があります。上限は5人槽44万4千円、7人槽50万4千円、10人槽69万円です。
移住して住民登録する予定の方も対象ですが、別荘として使う建物は対象外で、5年以上町内に住み続ける誓約が必要です。
出典:信濃町「下水道接続のお願い」/信濃町「小型合併処理浄化槽設置整備事業補助金について」(確認日:2026年11月4日)
信濃町では、冬は雪で水道メーターの検針ができません。そのため12月から4月の料金は、原則として前年の冬の使用量の平均で「認定」して請求し、5月に検針が再開されたところで精算します。
町のページでは、漏水に気づかないまま5月の精算で高額の請求になる例が毎年多いと注意されています。メーターの場所に目印を付け、冬の間もこまめに確かめるよう呼びかけられています。
なお、上下水道料金は令和8年度から改定されています。一般家庭(月15㎥)の下水道使用料は、令和8年6月からの2,810円から、令和10年6月には3,010円まで段階的に上がる予定です。住まいの費用の計画に入れておきましょう。
出典:信濃町「冬期上下水道料金の認定(認定通知書)について」/信濃町「上下水道料金の改定について(令和8年7月請求分~)」(確認日:2026年11月4日)
次回は「移住支援と交流会」を取り上げます。信濃町での家探し、土地選び、空き家の売却や活用など、住まいのことは下のLINEからお気軽にご相談ください。
出典:信濃町役場ウェブサイト「黒姫西口町営住宅(若者定住促進)入居者募集」「緑ヶ丘町営住宅(公営)入居者募集」「令和8年度若者定住促進家賃補助制度について」「令和8年度信濃町民間賃貸住宅建設補助金事業者公募プロポーザル」「空き家賃貸活用促進事業補助金」「住宅取得資金利子補給金」「農地の売買及び転用」「令和8年度住宅リフォーム支援事業の募集終了のお知らせ」「耐震診断及び耐震改修工事補助金」「信濃町空き家改修等支援事業補助金」「住宅改良事業補助」「信濃町空き家バンク制度」「空き家対策で民間2社と連携協定を締結」「信濃町ふるさと移住体験施設」。内容は掲載時点のものです。最新の情報は信濃町役場にご確認ください。
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