2026.11.05
この記事は2026年10月19日時点の情報です。(出典:広報いいづな通信 2026年10月号 p10)
こんにちは。ツチクラ住建の土倉です。
今回は、庭に桜や梅、桃などの木がある家を検討している方に向けたお話です。広報いいづな通信10月号に、特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」への注意を呼びかける記事が載っていました。
先に結論
広報によると、クビアカツヤカミキリはサクラ、モモ、ウメなどのバラ科を中心に、いろいろな樹木に害を与える虫です。公園や街路樹のサクラ、果樹などの農作物、さらに生態系への影響も心配されています。
平成30年1月に、環境省から「特定外来生物」に指定されています。国内で初めて確認されたのは平成24年で、そこから少しずつ分布が広がってきたと書かれています。
長野県で初めて確認されたのは、令和8年7月。広報には、次の4件が表で載っていました。
| 確認日 | 発見場所 | 数量 |
|---|---|---|
| 令和8年7月23日 | 佐久市中込(佐久市役所周辺の歩道) | 1匹 |
| 令和8年7月28日 | 佐久市今井 | 1匹(写真のみ) |
| 令和8年8月10日 | 御代田町広戸 | 2匹 |
| 令和8年8月10日 | 佐久穂町海瀬 | 6匹 |
どれも東信の佐久地域です。現時点で、飯綱町内での確認は広報には載っていません。ただ、7月に1匹だったものが、8月には別の場所で6匹。数字は正直です。「まだ遠くの話」と言い切れる状況ではないと私は受け止めています。
飯綱町はりんごの町です。果樹への被害と聞くと、どうしてもりんご畑のことが頭に浮かびます。
広報で「被害を受けやすい」と挙げられているのは、モモ(ハナモモを含む)、プルーン、ウメ、スモモ、アンズ、サクラといった、サクラ亜科の木です。りんごが対象になるかどうかは、広報には書かれていません。ここは私が断定することではないので、果樹への影響が気になる方は町の農政係や県の窓口に確認してください。
一方で、庭先にウメやハナモモ、サクラを植えている家は町内でもよく見かけます。家を買う方にとっては、畑よりもまず「自分の庭の木」が身近な話になります。
本当に怖いのは幼虫のほうです。幼虫は木の中で2〜3年かけて育ち、サナギになります。その間に木の内部を食べ進むので、木が弱り、枯れてしまうこともあると書かれています。
幼虫が入り込んだ木からは、フンと木くずが混ざったものが外に出てきます。これが「フラス」で、広報では「うどん状のフラス」と表現されていました。木の幹や根元にこれが積もっていたら、要注意のサインです。
成虫を見つけたら:見つけ次第、殺虫剤を使う・踏みつけるなどして駆除します。特定外来生物なので、生きたまま持ち運ぶことは禁止されています。その場で駆除してください。
フラスを見つけたら:スプレー剤での処理や薬剤の注入による駆除、木にネットを巻いて成虫が広がるのを防ぐ、といった対策をとるよう書かれています。
情報提供のお願い:見つけた日時・場所、成虫かフラスか、木の種類、写真を伝えてください。可能であれば個体も提供してほしい、とのことです。
| 見つけた場所 | 連絡先 | 電話 |
|---|---|---|
| 農地 | 長野農業農村支援センター 技術経営普及課 | 026-234-9536 |
| 農地以外(庭・街路樹など) | 長野県環境部 自然保護課 | 026-235-7180 |
| 長野地域振興局 環境・廃棄物対策課 | 026-234-9590 |
町の問い合わせ先は、産業観光課 農政係(253-4765)と、住民環境課 生活環境係(253-4762)です。
中古住宅の内覧では、建物の中ばかり見てしまいがちです。ただ、庭木つきの家なら、木の根元にも目を向けてください。
木が枯れていたら、伐採と処分の費用を購入の総額に入れて考えてください。大きな木ほど費用はかさみます。物件価格が安くても、買ったあとに出ていくお金で「思ったより高くついた」となるのが現実です。総額の考え方は、100万円の空き家の総額についての記事でまとめています。
もしフラスらしきものを見つけたら、自己判断で処分せず、上の連絡先に相談するのが安全です。私は移住相談で、物件の悪い点も正直にお伝えするようにしています。庭木の状態も、その一つです。
私が普段ご案内する空き家は、持ち主の方が遠方で管理ができていないことが多く、庭がジャングルのようになっていることがほとんどです。キノコが生えていたり、蛇や蜂がいたりすることもあります。木の根元まで見るのは大変ですが、桜や梅があったら、ぜひ一緒にのぞいてみてください。

クビアカツヤカミキリは、長野県では2026年に入ってから確認が続いている「新しい問題」です。
県の発表を時系列で並べると、次のようになります。
11月2日時点で、県内の確認は12市町村・81件、被害木は309本とされています。確認された市町村は、佐久市、御代田町、佐久穂町、小海町、東御市、辰野町、長野市、南相木村、小諸市、南牧村、上田市、坂城町です。
飯綱町はどうか
11月2日時点の県の一覧に、飯綱町の名前はありません。ただ、同じ長野地域振興局の管内(長野市・須坂市・千曲市・坂城町・小布施町・高山村・信濃町・飯綱町・小川村)では、長野市と坂城町で確認されています。「まだ来ていない」ではなく「近くまで来ている」と考えておくのが現実的です。
出典:長野県「クビアカツヤカミキリについて」/長野県プレスリリース(7月23日)/長野県「県内農地におけるクビアカツヤカミキリの発生・防除等」/長野県プレスリリース(辰野町)/長野県プレスリリース(長野市)/長野県プレスリリース(小諸市・南牧村、PDF)/長野地域振興局「長野地域観光情報」(確認日:2026年11月4日)
庭に古い桜や梅がある家を買うと、「弱っている木は伐ってしまおう」と考える方も多いと思います。そのとき知っておきたいのが、伐る時期と、伐った木の扱いです。
環境省の通知では、おおむね9月から翌年4月までは幼虫が木の中にとどまっている時期、6月から7月は成虫が木から出てくる「脱出期」とされています。
被害木の処理は、できるだけ幼虫が木の中にいる時期に、逃がさない対策をとって行うよう求められています。5月から8月にやむを得ず行う場合は、厳重に包むか閉鎖型の車両に積み、一時保管せずに速やかに処分する、という扱いです。
特定外来生物は、外来生物法で生きたまま運ぶことが原則禁止されています。木の中に幼虫が残っていれば、木を運ぶことがこれに当たるおそれがあります。
クビアカツヤカミキリについては、次の条件をすべて満たす場合に限り「運搬」に当たらない、という運用が示されています。
つまり、個人が軽トラックに積んでどこかへ持っていく、という扱いはできません。被害が疑われる木は、自分で処理せず、まず町や振興局に相談するのが安全です。
出典:環境省「外来生物法の規制に係る運用(クビアカツヤカミキリの運搬及び保管)について」(PDF)(確認日:2026年11月4日)
県は、確認地点の周辺を「緊急防除エリア」とし、庭木や街路樹を持つ個人・事業者に防除用の薬剤を無償で提供しています。長野地域では、9月30日から長野市篠ノ井地区などで受付が始まりました。
対象は、エリア内で自分が所有・管理しているサクラ属の木だけです。11月4日時点で飯綱町は対象地区に入っていません。エリアは今後変わることがあるので、県のページで確認してください。
クビアカツヤカミキリは、2018年(平成30年)1月に環境省が「特定外来生物」に指定した虫です。県のページでは、防除の方法として薬剤による防除や、幹にネットを巻き付ける方法などが紹介され、詳しくは森林総合研究所の防除法を参考にするよう案内されています。
薬剤を使う場合は、周りの人や車、農作物、水路や川に飛び散らないよう注意し、製品の表示を確認することも求められています。りんご畑や田んぼが近い飯綱町では、特に気をつけたい点です。
出典:長野県「クビアカツヤカミキリについて」(確認日:2026年11月4日)
出典:長野県プレスリリース「薬剤の提供を上伊那・長野地域において9月30日から開始」(確認日:2026年11月4日)
庭木は「建物」ではないので、重要事項説明の中心にはなりにくい部分です。だからこそ、買う側から確認しておくことをおすすめします。
大きな木の伐採は、高さや場所によって費用が大きく変わります。購入費用の計画に入れるなら、契約前に造園業者などから見積もりを取っておくと安心です。
・クビアカツヤカミキリは、サクラやウメ、モモなどの木を枯らすことがある特定外来生物です。
・長野県では令和8年7月に佐久市で初確認。飯綱町内での確認は、現時点で広報には載っていません。
・成虫はその場で駆除。生きたままの持ち運びは禁止です。
・庭木つきの家は、根元のフラスと木の枯れを確認し、伐採費用も総額に入れておきましょう。
早めに知っておけば、慌てずに対処できます。庭の木も含めて、気持ちよく暮らせる家を一緒に探しましょう。
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